「アメリカン・ハッスル」







実際にあった収賄事件「アブスキャム事件」を題材に
大胆脚色で70年代のパワフルな時代感を再現しつつ
コメディっぽく仕上げた作品です。
クリスチャン・ベール、ブラッドレイ・クーパー、
エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンス、
ジェレミー・レナーなど、役者が豪華。

私はこの映画、オーシャンシリーズっぽい
火花散る頭脳戦、トリックの応酬みたいなのかと思っていたのですが、
予想とは違い、ドツボの男女関係とか、ぐだぐだ不倫描写に
結構時間が割かれていました。
甘さのないシニカルな視点で
ぶっ飛んだ人間、どうしようもない人間が
描かれるのが好きな方にはたまらない感じです。

内容ばれ

この監督の笑いのセンス、合う合わぬがあると思うんですが、
私にはちょっと合わないかなって気がしました。
無茶をやって成功したブラッドレイが
打上げ祝賀会で慎重派の上司をその場から追い出して
物真似をして職場のみんなの笑いをとったり、
友達がいない太った送金係の女のひとに猫の話を振ってあげて
仲良くなって送金してもらうとか、
いまひとつ反応に困るというか。あれは笑うところだったのか?
クリスチャン・ベールのハゲねたは面白かったです。
(役柄に合わせてだとは思うけど、恐ろしい腹でした。
あそこから減量してまた元に戻せるのか?)
というか70年代はみなさんヘアスタイルが盛り盛りで愉快です。

あと詐欺師のクリスチャン・ベールが
頭のネジが飛んでいるけど美人で色っぽい妻と、
美人で色っぽくて頭の切れる愛人、両方に
なんのかんの言って愛されていてキャットファイトですか!
まあ!よかったですね!……という。

そんな詐欺師が惚れ込んでしまったのが
汚職をさせるように仕向ける対象の
ニュージャージー市長カーマイン・ポリートなんですが…。
彼の熱い政治家魂と、家族を何より愛する父親っぷりに心惹かれ、
電子レンジをサプライズプレゼントでもらって
完全にノックアウトされるところとかおもしろかった。
彼らの友情を軸に見ると、なかなかぐっとくるBLですよ。

役者の皆さん良い演技ですが、
特に正気の範疇からちょっと逸脱気味の正妻、
ジェニファー・ローレンスがすごかったです。
あまりの超理論に詐欺師のクリスチャン・ベールも
お口をポカーンと開けて頷くしかないという。









2014.02.05 サイトに掲載

2014.12.27 再掲載





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