「エンダーのゲーム」







最初の方で「あれ?なんかこれハリポタじゃない?」って思ったら
どんどんそんな気がしてきてなんとなく愉快でした。
原作小説は全然そんなこと考えなかったのに不思議(たしか読んだのはハリポタより後)。

家でいじめられていたら、お迎えが来て
変なスポーツをやって、ふわふわ浮いて、勝って、デブにいじめられて、
巨漢2人をお供にいじめっ子がやってきて、
おじいのあからさまな贔屓でグリフィンドール加点で、
男の子と女の子の味方ができて、(ねたばれ)
敵と精神が繋がって変な夢を見て、
結局相手をやっつけ
ます。

これ監督と脚本のギャヴィン・フッドさんは
(ヨハネスブルグ出身。最近多い?)
原作小説がお好きなんだろうなあ…となんとなく思いました。
でも傑作SFが必ずしも一般に好まれるエンターテインメントになる訳ではないと
理解されたうえでの改編であったような。
でも2時間に収まったのは凄いし、カットが多いだけで大筋は同じ。
がんばった!

内容ばれ

・「痛くないから」のあとのエンダー絶叫ですが、
 抜けたブツがものすごくて、むしろショック死しなくてよかったね物件。
 あれ神経接続されてたんだよね。
・大佐がグイグイ来すぎてきもい。
・宇宙ステーション内の美術はちょっとださい…と思いましたが
 バトルルームはよかったです。
・主人公は「ヒューゴの不思議な発明」の主役の子。大きくなった!
 でも体が紙のようにペラッペラで、エンダーの儚さを表現してました。
 スタイルがいいのでツナギがとてもよく似合う。特に後姿!
・またもやエンタメ映画でいいやつのムスリム出てきた!?
 何かあるの!?と思ったのですが、
 アーライのイスラム教設定は原作に準じているのですね。完全に記憶になかった。
・エンダーのガンカタ!(違う)
・ネットがなかった時代に、まるで見たかのように正確に
 「素性を隠した状態で、誰もが平等に意見を述べられる世界」を描写されているのが
 原作のすごいところのひとつでしたが、現実がSFに追いついてしまったので
 そこのところはカット。兄姉の描写がほとんどなくなりました。
・分子分離装置は700億ドルだそうです。値段言っちゃう大佐、大阪人。
 しかしパシフィック・リムのイェーガー一体が600億ドルなんですが(小説版)
 たぶんどっちかが高すぎるか、安すぎる。
 (分子分離装置=当たると分子が崩壊し、現象は連鎖して星ひとつ破壊できる)
 (えぐい武器。発射口の分子は崩壊しないのかとかちょっと考える)
 (地球の誰か一人でも地上で発射したら、空気の分子の破壊が連鎖して地球ごと崩壊ですよ?)
・シミュレーションの映像は迫力がありました。
 エンダーの動作で角度が変わるところとか。ただ欲を言えば
 ティーンが戦っているのを、おじいたちが見物しているのは何か気分が悪いので、
 「あーこれおじいには無理やわー、若いのでないと無理やわー」
 って演出がもうちょっとほしかった。
 立体映像タブレットをひゅんひゅん飛ばして、
 プロバスケ選手のように瞬時に意図を理解して受け取り複雑に仕事を交代する様子とか、
 あとペトラの仕事はボタン押すだけかよ!って思ったので
 複数の演算ソフトを同時に操って引力や障害物を計算した上での弾道とか導き出す
 スーパーオペレート演出してほしかった。
・エンダーは完璧超人でありながら、というかだからこそというか、
 繊細さも共感能力も人類越えしている子供、なんですが
 そこ100%描写しちゃうとエンタメ逸脱しちゃうので、程よくパターン化。
 でも役者の子の目の表現力がとても豊かで、脚本以上の個性を読み取れました。
・ラストの印象は違いますね。うーん、能動的?









2014.01.24 サイトに掲載

2014.12.27 再掲載





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