「死霊館」 原題「The Conjuring」まじないとか、奇術とかいう意味のようです。 語源はラテン語の「共に誓い合う」らしく、そこのところも含まれているのかも。 競売にかかっていた家を購入した一家は、 その家に引っ越しした日から、不思議な現象に悩まされる、という内容。 家の中に入らない飼い犬、入り口のふさがれていた地下室、 妻の体に浮かび上がる痣、ひとりでに開くドア。 実在のゴーストハンター、ウォレン夫妻が、 唯一発表できなかったほどの恐怖の事件、という体裁の話です。 ウォレン夫妻 http://en.wikipedia.org/wiki/Ed_and_Lorraine_Warren ものすごい直球勝負のホラーで、変わった演出はなにもないのですが、 モーションから投球までが早いので打てないというか(笑)。 溜めの時間が適正なので、いい感じに驚けます。 ホラーファンにはおすすめ。 というかこれモニタで見たら真っ暗で見えないシーンが多いと思います。 冒頭の悪魔憑き人形アナベルの話がめっちゃ怖かった。 実際にコネティカット州のオカルト資料館に保管されているそうです。 画像検索したら映画の人形とは全然似てない、あっさりした顔でした。 (でもこの人形を画像検索していて、うっかり「見たら呪われる絵画」をとうとう見てしまったので… 検索の際はご注意ください…) 内容ばれ 悪魔は最後まで姿を見せない、これ実にいい。 娘さんたちはみんな可愛い。重要。 幽霊たちの出かたもエレガント。 本当にできのいいクラシックホラーです。 オカルト資料館で 日本の鎧兜がデデーンと常に映っているのがちょっと笑ってしまう。 (どうみても新しく、デザインがちょっと妙) 「インシディアス」の時も思ったのですが 年配のこわいおんなのひとの顔、は 夏場のメイクが溶けた自分の顔、に見えるので全然恐くねえ。 むしろなんか済みませんという気持ちになります。 「霊はガムのようなもので、くっついて離れない」 という説明は、アメリカっぽいな!と思った。 ラストで、ウォレン夫妻はアミティヴィルに行くって言って終わりますが、 これはあれですね「悪魔の棲む家」の事件に繋がるよということですね。 ウォレン夫妻つながりなのですが、 むかし「悪魔の棲む家」というホラー映画がありまして、 それは実際にあった、ある家の長男が親兄弟6人を殺した事件の まさに犯行現場の家に引っ越してきた家族が様々な心霊現象を見るという話でした。 その家はウォレン夫妻によって、悪魔が憑いていると判定され、 ラッツ一家の心霊体験を綴った「アミティヴィルの恐怖」という本がベストセラーになり映画化され、 続編が作られたり、リメイクされたりしました。 私もこの映画は好きで、オリジナルとリメイク両方見ていたりするのですが。 懐かしくていろいろ検索していたら、現在では アミティヴィルの心霊事件はまったくのでたらめ、 引っ越してすぐに退去したのも金銭的トラブルのせいで、 幽霊話でひと儲けしようと弁護士から持ちかけた云々書いてあって ちょっぴりしょんぼりしました。 「実際にあった幽霊話を元に……」という触れ込みは なんとなく「あのアイドルは彼氏とかいない!」という夢に似ています…。 でも、事件のあったアミティヴィルの家は今でも健在で、 例の「家全体が人の顔に見える窓のデザインと配置」などは改修され、 犯行現場の地下室などは塞がれたけれども、 割と綺麗な状態で建っていて、 グーグル先生のストリートビューなどで見られるそうです。 事件から50年近く経っていて、一時は放置されていただろうに、 アメリカの家は丈夫ですね。 2013.10.15 サイトに掲載 2014.07.01 再掲載 戻る |