「トランス」






ダニー・ボイル監督のシャープなサスペンスです。
綺麗で甘そうなんだけど、でも飲んでみるとドライなカクテルのような映画。
音楽も映像もなにもかもクールでオサレ!
(ややグロいシーンがあります)

大手オークションハウスに勤める青年は、
絵画強盗から絵を守ろうとして頭部に怪我を負う。
病院で目覚めた彼を待っていたのは
記憶を失った自分と、そして絵画強盗からの拷問だった。
2転3転する現実の中で、青年は徐々に記憶を取り戻していく。

オチばれー。

翻弄され苦しむ青年の物語であると同時に、
名前と人生を捨てて逃げるしか手段がないDVストーカー被害者である女性が
知性と能力でカウンター攻撃をかけ、見事に自分を勝ち取る話でもあります。

あの青年は、下手をすると「この外道!」というキャラクターになってしまいますが、
そこのところを庇護欲をくすぐる感じに青く、上品に演じておられて上手いなと思います。
あと絵画タイトル当てのあほなカップルゲームのシーンとか、エピソードも上手い。
キャスティングからしてミスディレクションが始まってますね。

もしかすると、ラスト近くになってもまだ青年への愛情が残っていたかもしれませんが
トランクの中身を見たときにすべて消えうせたのでしょう。
でもあれは身代りに亡くなったようなもので、彼女の責任でもある。
でも、青年も終わらせてもらいたがっていたように見えた。

意外やギャングのボスが異性として器の広いひとだったので、
(ラストとか、あれだけこっぴどい目にあわされていながら実にいい表情をしている)
彼と付き合えばよかったのにねー、って思いました。

絵画の構図がモチーフのシーンがいくつかあった気がしますが気のせいかもしれない。
(ジェームズ・マカヴォイ氏がすごい中世絵画顔なんですよね…そのせいかも)










2013.10.08 サイトに掲載

2014.07.01 再掲載





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