「ビザンチウム」 吸血鬼の母と娘もの。 奔放に生きる母と、平穏で誠実な人生を望む娘の物語でもあるし、 吸血鬼の少女と、人間の青年のラブロマンスでもあるし、 また虐げられる者と非道な強者との戦いの話でもある。 彼女たちの語る過去の物語の数奇さと、 港町のさみしい風景が映えます。 (ロケと舞台はアイルランドなのかな…? でも作中の通貨がポンドだったので1999年以前?でも携帯が出てたしイギリスの港町という設定かな?) ねたばれ…? シアーシャ・ローナンがいかにも吸血鬼っぽい古風な美貌で、 何百年も前の美女に見えました。 お母さん役のジェマ・アータートンは27歳なのに ものっそいお母さんでした。シアーシャちゃんと8歳しか違わない! 人間の青年ケイレブさんは、登場した時からどこか具合が悪いの?と 聞きたくなるような顔でしたが、病気の人の役でした。 具合の悪い役が続く彼。XFGで健康児を演じていたのがウソのようです。 数百年前のダーヴェルと上官の2人コンビは萌えエピソードなのに、 上官がゲス男だったので、あまりグッときませんでした。残念…。 実はダーヴェルとクララのラブロマンスの話だったらかわいいですね。 シアーシャちゃんがケイレブくんのために書いたノートを 先生に見せて、先生も他の先生に見せたのはいかんと思いました。マナー違反です。 3人も無駄に死にました。気の毒なのはメガネさんです。いい人だったのに! 吸血鬼は男性だけで女性は仲間と認められないのですが、 吸血鬼の偉いおじいちゃんが女のこと大大大きらいで、 露骨な差別発言をぶちかまします。 あのおじいちゃんは昔から新入りのことを狙っていて、 あの女さえ殺せばわしにもラブチャンスが…!と思ってたに違いないですよ。 この監督は不思議に弱者視点の作品が多いです。 (原作脚本は女性ですね) 「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の監督でもあるのですが 「クララはレスタト、エレノアはルイ」だそうです。ふむ。 タイトルはアイルランドの詩人イェイツの 「ビザンチウムへの船出」から。 この詩はコーエン兄弟監督の「ノーカントリー」でも使われているので タイトル向きの詩なんでしょうか。 2013.09.26 サイトに掲載 2014.07.01 再掲載 戻る |