「アンナ・カレーニナ」






まあ端的に言えばお花畑不倫脳の女性がやらかしちゃった話…
なのですが、監督が時代もの大好きな完璧主義なので、
圧倒的な美しさです。浴びるように贅沢に、ザブザブと美しい。
最初は舞台劇の体裁で始まります。
めまぐるしくセットが組み換わり、天井の簀の子の上や
本来なら客席のあるスペースもセットとして使われ、
人々はときにバレエのような、パントマイムのような奇妙な動きを見せ、
あるいは停止し、音楽に合わせて動き、演奏者が画面に姿を見せ、
様々な表現の交差した、不思議な世界です。
でも題材が古典で、衣装と美術はクラシカルなものなので
尖りすぎていて疲れるという事はありません。
たっぷりとして優雅なロシアのドレス!(とマントとマフと帽子!)

フリンアカン
カレーニンくんが気の毒すぎる。演じたのはジュード・ロウ。
眼鏡のジュード・ロウを捨てるなんて!アンナのばか!オタンチン!
アンナの兄のオフロスキー(違)も家庭教師とよろしくやっているので
たぶん不倫DNAが受け継がれているんでしょう。
腹が立つのは、不倫された兄嫁に対して
「許してあげて。兄はあなたを愛しているのよ。許さなければずっと苦しいわ」
とか説教したくせに
自分が不倫相手の浮気に遭遇した(と思いこんだ)時には
許すの「ゆ」の字も出てこなかったことです。

社交界にハブられることも、義妹に恨まれることも、
息子と引き離されることも、不倫相手の愛情が永遠でない事も
不倫を始める前に簡単に予想できると思うのですが、
人間は
「あとさき考えられる人」と「あとさき考えられない人」の
2種類に分かれて、後者の人は
「なんか分かんないけど大丈夫!」って思っちゃうんですね。
これは性分で、頭の良さとは無関係なのでしょう。

映画を見て気付いたが、私たぶん原作未読です。
世界の文学ベスト10には必ず入る古典なのに!あらやだ!
そういえばマッシュアップ小説の流行っているアメリカでは
「アンドロイド・カレーニナ」って本も発売されているらしいですね。











2013.04.16 サイトに掲載

2014.07.01 再掲載





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