「ゼロ・ダーク・サーティ」






ビンラディン暗殺を成功に導いた女性CIAエージェントのお話です。
彼女の異常ともいえる執念と、淡々と作成遂行する実行部隊を
乾いた質感で撮ってあります。
突撃の様子がすごかった。現実と錯覚するくらい。

内容ばれ
・フィクションで見る拷問って、苦しめるのが目的と化しているのが多いですが
 情報を得るために拷問するのであって、相手の正気を保ったまま、
 心だけ折らなければいけないいわば頭脳戦なのですね。
 あの最初に拷問していたひと、健康な精神を持った頭のいい人なのでしょうけど、
 だからこそ拷問で成果をあげ、心にダメージを負ったのでしょう。
・主人公のマヤは残酷な拷問に目をそらすけど、カメラは逆にぐぐっと克明に映し、
 (屈強な男が屈強な男を拷問するシーンはおいしいですね、分かります監督)
 そして後になるとマヤも平気で捕虜の殴打を指示するようになるという。
・恥ずかしながら拷問史とか拷問博物館とか和洋問わず大好きなのですが、
 現代でも拷問の手数って画期的なものは増えてませんね。
・ガンダルフ!
・マヤの髪がずっと綺麗に巻いてたのですが、
 一体どうやってセットしてたのか聞きたいよ。
・上司の名前をリークしたのは、マヤ…?おそろしい子…?
・アメリカの人も上司がヒステリーを起こして怒鳴り始めたら
 みんなでうつむいてテーブルをじっと見るんだ。ふーん。
・マヤは高卒でCIAに入ったと言ってましたが
 別の映画で大学時代に洗脳されて二重スパイになった話とかあったので
 そういう意味で多いケースなのかな?と思った。
 でも人脈作りという利点もあるし一長一短ですね。
・超有力な情報提供者をみなで歓待しようとしていたら、それは罠で
 自爆テロでCIA局員7人死亡って本当にあった事件なんですね。
 そして指揮を執っていたアルカイダ専門の有能なエージェントは映画と同じ子持ちのお母さん。
 マヤのモデルになった女性と現実に仲が良かったかは分かりませんが
 映画でのあのデスクトップ画面は、一瞬だけど、この映画には数少ない暖かい部分。
・映像は映せなくても熱源で人数と性別が分かり、歩調で年齢が分かるのですね。すごいなあ。
 ビンラディン、女連れで住んでいなければ、
 もう数年生きられたんじゃないの?と思います。
 ゴミはすべて焼却するくらい徹底してたのにね。
・戦い慣れたプロの精鋭なのに、それでも操作ミスでヘリ1機墜落したりとか、
 それを爆破して証拠隠滅しようとしている時にもう1機来て「わー!あぶないぞー!くるなー!」とか
 結構グダグダですね…。
・今のゴーサインって「やさしく肩をつかむ」なのですね。それともあの隊だけかな?
・男は問答無用で撃つ、女も動きが不審なら迷わず撃つ、死んだ人間も念のため1発撃っとく、
 と暗殺はみなさん冷静で機械的でした。
 漫画の主人公が死んだふりをしてあとで反撃するとか、あれはフィクションだけのお話なのですね。
・暗殺して終わり!じゃなくて、死体を収納したりパソコンとか資料を押収したり
 おおいそがし。時間制限あるし。
・音楽は(ポタとかも手掛けられた)売れっ子アレクサンドル・デスプラさんですが、
 内容に合わせて抑えめの曲が多いので、得意技を封印されてた感じ。
・マヤのモデルの人は、残念ながら現在窓際に追いやられていると聞きます。
 CIA伝統の男尊女卑のせいだとも、
 あるいはあまりにも彼女がエキセントリックすぎるせいだとも。
 http://www.cinematoday.jp/page/N0048945
・そういえば暗殺以降おおきなテロはなくなりましたね。
 生け捕りとかなさらなくて本当によかったです。
 「ミュンヘン」が10本くらい撮れてるところですよ。

 ※追記 このまえのアルジェリアの人質事件がアルカイダの下部組織でした…。



関係ないけど監督の、あの戦士のように引き締まった肉体と、
異様な若さの秘密を知りたいので美容本を出してほしい。









2013.02.19 サイトに掲載

2014.07.01 再掲載





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