「ルーパー」 時間ものです。 時間ものにハズレはあまりありません。 なぜなら自信のない監督は手を出さない題材だからです。 (よっぽどアレな監督は撮るかもしれないが、 そういうのは確実に爆死するので海を越えてこない) 科学捜査が発達した未来において、 死体の処理は100%不可能になったが、 犯罪組織はタイムトリップを非合法利用し、 殺害したい人間を過去世界に送り込み、 金で始末させるというシステムを確立した。 未来の犯罪組織と取引し、殺人を請け負う人間をルーパーと呼ぶ。 主人公のジョーはルーパーとして人殺しで生計を立てていたが、 ある日仕事場に送られてきた人間、それは30年後の自分だった。 という内容。 わりと全員の行動原理が愛情によるので、後味が悪くないし たとえ話が分からなくてもなんとなく楽しめると思います。 (残酷シーンが大丈夫なら) ねたばれ なんだか語りすぎないところがいいです。 夜中にかえるのおもちゃを押す前のサラとか、 ジョーが母子に弱いところとか、 おじいのジョーがレインメーカー探しを断固実行するけれど ものすごい精神的ダメージを受けているところとか、 顔中血だらけになったシドが、涙の跡だけ綺麗になっているところとか、 それを見たジョーの気持ちが揺らぐところとか。 ちょっと小説っぽい。 すごく光る所があるので、設定のアラがあっても補完しちゃうよ。 未来では人殺しできない筈なのに思いっきり奥さん撃たれてたのは 人殺しができないのはアメリカだけで上海では可能なのヨネとか。 (未来の上海、ビルの形が変わってない) 四肢切断されて30年生きた人があんなに機敏に動けるのは 組織が手厚く30年リハビリさせたのだろうとか。 そもそも死体の隠密裏の処理が不可能なほど治安・安全維持が進んでいるなら タイムトリップも完璧に政府が掌握するだろうけども。 それでも老ルーパーを走らせるあの恐怖の演出は良かった。 若いほうを映さない、抑えめなのが益々好ましい。 余談ですがはじめて2人がダイナーで会話するシーン、 テーブルの上にほかほかのステーキがきたのに 2人とも手を付けないもんだから、 肉が気になって気になって話に集中できなかったくらいには私は肉が好きです(笑)。 食 べ な い な ら 注 文 し な い で ! あと真実の愛を見つけたくだり、おじいちゃんと若い娘かよ…と思ったら 若い娘は若くなかった!43歳! ブルース・ウィリスの実年齢でも14歳差だった。 ところでこの美魔女の中指嫁が夫を起こす時に足に触れるしぐさと サラが息子のシドを起こす時に足に触れるしぐさが同じだったので 最初は伏線かと思ったのですが、関係なかった?みたいです…? 単に監督の萌えしぐさなの? 分からなさのあまり上映中に意見交換している人達が JGLとブルース・ウィリスが同一人物だという大前提を理解しておられず 指が消えていくところもなんのことか分かっておられなかったようなので ちょっと勿体ないなあと思いました。 終わった後もちらほら「分からなかった!」という声を聞きました。 あ、でも「分からなかった」と言っていたひとが 「面白かったねえ!」とも言っていらしたので問題はないのでしょう。 2013.01.16 サイトに掲載 2014.07.01 再掲載 戻る |