「リンカーン/秘密の書」






原題Abraham Lincoln: Vampire Hunter

この秋一番期待していた映画でしたが、
大満足しました主に萌え的に。

誰もが知る偉人、エイブラハム・リンカーンは
実はヴァンパイアハンターでした!というお話です。
少年の頃に吸血鬼に母を殺されたエイブラハムは、
吸血鬼ハンターである師匠に殺しの技を仕込まれ復讐を果たすが、
やがて吸血鬼の餌にされている奴隷を解放するべく大統領となり、
南北戦争を始めます。
南部は前線に吸血鬼を大量派遣、エイブラハムはピンチに陥ります。

リンカーンのハーレム映画でした。
幼馴染のウィルと、師匠のヘンリーと、家主のスピード。
3人ともエイブラハムが好きすぎで、
エイブラハムのために命賭けすぎ。
(スピードくんは実在の人物で、やはりリンカーンのルームメイトで
映画と同様に恋の橋渡し役で、
リンカーンの主義には懐疑的だったけど終世の協力者で親友…oh史実…)

監督はホラー寄りの人なので割とホラーです。

ラストばれ

・全体的に漂う「ブロマンス大盛りサービス」の雰囲気。
・結婚式でリンカーンが幼馴染の事を「彼は唯一の家族だ」
 って紹介した時、あきらかにスピードの顔がこわばったのです。
 (それは後のミスディレクションのためであったのでしょうけれど)
 や、でもどちらにしろ嫉妬している演出なのは間違いない訳で。
・そして嫁と愛人と元カノが一触即発状態の時にさらに現れる師匠ヘンリー。
 その場からリンカーンを華麗に攫って行きますよ。
・ずっと後のシーンで嫁が師匠ヘンリーに「夫を返してくださる?」
 って言ってましたね。あのとき嫁はたぶん全部知ってた訳で、
 返せっていうのはつまりそういう意味で。
・嫁とリンカーンのエピソードもかわいかった。帽子のところとか。
 あんなかわいい彼女とピクニック中に居眠りするなんて!
 プロポーズの言葉が「僕を世界一幸せにしてくれ」ってヘタレかわいい。
 まあ「君のような素敵な妻を持てる幸せな男にしてくれ」って意味だろうけど。
・あと悪の吸血鬼アダムが、恋人に見せつけながらヘンリーの喉に咬みついた所は
 「BLでござるー!ものどもBLでござるよー!」と変なサイレンが鳴りました。
 「普通はヘンリーの目の前で彼女を咬むでしょう!?」って思ったら
 あとで一応その普通の事もやったけど、彼女はあっさり死んだ。
 そして「吸血鬼は吸血鬼を殺せない」ハイここはたぶん二次創作の上で重要設定。
・大統領晩年のそっくりメイクは似すぎていて、蝋人形が喋っているようでした。
 役者さんの素の顔は、くりくりした目にまるっこい鼻、
 絵で見る2百年ほど前のアメリカの若者、って感じだった。
・馬アクションすごかった。危ない所はCGだと思うが馬は大丈夫だったろうか。
・格闘はクイック&スローを駆使した例のあれ。
 構図取りが的確なので見やすかった。
・ラストが切ねぇー。
 リンカーンは観劇中に撃たれたという知識はあった方が方がいいと思う。
 ヘンリーがあのあとどんなに荒れたか、想像すると胸が痛い。
 暗殺当日に会って、自分と共に永遠に生きてほしいと告白をして、
 笑ってかわされて、妻とともに去ってゆく彼を手を振って見送って…。
 帽子を忘れて一度戻ってきたのに、チャンスはあったのに。
 いっそ無理やりにでもあのとき吸血鬼にしていれば、と何度も考えたと思います。
・「声をかくす人」の一番の敵役のおじいちゃんは
 実はヘンリーではなかったろうかと閃きました!
 「とりあえず暗殺にかかわったものは全員死ね」くらいは考えそうです。
・邦題はおかしい。サスペンスだと思って見に来た人がいたら気の毒。

あ、でも原作はもっと面白いらしい。
同作者の「高慢と偏見とゾンビ」も早ければ来年映画化だそう。やったー。








2012.11.12 サイトに掲載

2014.07.01 再掲載





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