「声をかくす人」






1865年におきたリンカーン大統領暗殺事件において
主犯達にアジトを提供し、犯行に加担した罪で
アメリカ合衆国政府によって処刑された最初の女性になったメアリー・サラットと、
その裁判で彼女の弁護にあたった青年弁護士エイキンを描いた物語です。
ロバート・レッドフォード監督。

内容ばれ
現実のフレデリック・エイキン氏が、どういう経緯で弁護を依頼され
引き受けられたのかは分からないけど、
裁判経験のない20代の若者なんて最初から捨て駒のお飾り弁護士で、
おっさんたち無双だっただろうなと思うと腹が立ちます。
でも法を順守して公正な裁判で、あーでもないこーでもないやっていたら
北部の人間は怒り狂い、南部の人間は付け入る隙ありと見て更に攻撃に出る、
という考えも間違っているとは言えない。残念ながら。
なので映画化されることに意義がある。

映画の中の彼女の罪は、誘拐計画の加担なんですよね。
あと息子をうっかり阿呆に育ててしまったこと。
どちらも死刑に値する罪だとは言えない。

息子がアンポンタンすぎて腹が立ちました。
自分達は法を無視したテロリズムを手段にしたくせに
相手側は法に則った公正な判断をしてくれるだろうと考えるのは
あまりに無邪気すぎると思うのです。
家が焼き討ちされて暴徒に母と姉がリンチされて殺される可能性を
微塵も考えなかったのか聞きたい。
あと親孝行や家族の扶養などという辛気臭いことよりも
愛国の士の俺カッコE−という、
楽な中2スピリットに飛びついたのではないと言い切れるかとも聞きたい。

人間には時折、「血を見ねば収まらん」というような所がありますが、
血を見ると頭が冷えて公平な判断ができるようになるのは
(げひんですが)所謂賢者タイムに似ておるなあと思います。

太陽光の撮り方が美しい映画でした。
そして最後の日傘の使い方がうまかった。

原題は「THE CONSPIRATOR」で共謀者。
この邦題はどんなジャンルの映画かちっともわからないし
見たあとも何を意味しているかピンとこない妙な邦題。








2012.11.07 サイトに掲載

2014.07.01 再掲載





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