「戦場のピアニスト」






ナチスのポーランド侵攻により家族を失い、
強制労働に耐え、その後廃墟に隠れ住んで生き抜いた
実在のピアニストの体験を映画化したものです。
ロマン・ポランスキー監督、
主演は世界でいちばんハの字眉の男エイドリアン・ブロディ。

じわじわ状況が悪化していく描写と、
ナチスによる迫害の描写が精神攻撃レベルですごい。
特に足の悪い車椅子のお爺さんが「立て!」という命令に従えなかったからって
高層階の窓からぽーいと捨てちゃって潰れちゃうところとか、
「わーっ!」って声が出ます。
迫害側が自分の力に興奮・酔っているさまが薄ら見える所も最高に嫌だ。

主人公はあり得ない幸運の連続により生き延びます(という風に見えたのですが、
あれは彼がピアニストとして凄い才能の持ち主なので、
周囲も彼だけは何とかして生かそうとしていたのだそうです。
そこのところはちょっと読み取れなかった)。

内容ばれ

生き延びるって、一種ものすごいみじめな事で、
それに耐えられる者のみに許される栄誉という気がした。
お年寄りから食料を奪おうとして失敗して、
地面に落ちたスープ?を四つん這いになって口ですすっている人を見てそう思いました。

メインは臨時指令所となった建物の屋根裏に隠れ住む主人公と
そこの責任者であるドイツ将校との交流ですね。
もう正直ここのシーンだけの1時間作品でいいじゃないかと思いましたが
そういう訳にもいかないか。

将校とピアニストの関係は
「シンドラーのリスト」での将校と、
身の回りの世話をしていた娘の関係をちょっと思いだしました。
そういえばamazonの作品感想にありましたが、
字幕での将校の呼び掛けはピアニストに対して高圧的でしたが、
あれは日本語字幕の元になった英語訳に「お前」と「あなた」の区別がないからであって
ドイツ語では将校は主人公に対し「あなた」と呼び掛け、
「ピアノを弾いて頂けませんか?」と、ちゃんと敬語を使っているそうです。
それはかなり印象が違う。

実在する人物、ドイツ将校ヴィルム・ホーゼンフェルト氏は元よりナチスの方針に懐疑的で、
主人公以外のユダヤ人を幾人も救っているそうです。
残念ながら映画ラストのテロップの通り戦犯捕虜収容所で1952年に亡くなっています。
拷問と労働で体を壊し、精神に異常を来たした末だったそうです。

ピアニストの息子さんは日本人女性と結婚され、九州で大学教授をされているようです。









2012.10.24 サイトに掲載

2014.07.01 再掲載





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