「鍵泥棒のメソッド」 3年待った内田監督の新作を観てきました。 「アフタースクール」ほどの大ネタではないですが 今回も矢張り「あっそうだったのか!」と思わせてくれます。 (あ、なので見るおつもりの方は早い方がいいです。普通にねたばれを目撃してしまいそう…) 鳴かず飛ばずの役者の卵であるところの桜井は、 人生どん底の状態でふらふらと入った銭湯で、 身なりの良い男、コンドウが転倒して気絶する現場に居合わせる。 出来心からロッカーの鍵を掏り替え、コンドウの所持金を散財する桜井だが、 コンドウは普通の男ではなく、桜井は大変なトラブルに巻き込まれてゆく。 シチュエーション・コメディーです。 登場人物は知らなくて、観客だけが知っている事実が幾つもあり、 状況、台詞でクスクス笑えます。 そして監督の描写にめっちゃ愛情がこもっているので 登場人物のことを好きにならずにいられない! 内容ばれ…?勘のいい人だとオチばれ? 私、桜井さんほどではないですが、だらしない人間なので きちんとしよう!と思いました。 きちんとした人の全てにおける全力投球ぶりって、マジ魅力的ですね! 部屋も生活習慣も経済事情も、プレイヤーが変わったら 片付く片付く。好転する好転する。 対して、最初はドラマの部屋のようだった高級マンションが どんどん駄目人間の巣になってゆくところとか目を覆いたくなりました。 香川さんの演じる役って、貧乏な下衆かお金持ちの下衆の2択だったので そんなに好きって感じではなかったのですが、 この役の香川さんは大好きになりました。ミラクルだ。 あと当たり前ですが堺さんも香川さんも演技巧い。 「マジック・アワー」と見比べると面白いと思います。 別々の頭で考え付く事は、やっぱり全然違うというか! 内田監督作品になんとかして出演したい!という役者さんが増えているって キャストインタビューで言ってました。 あまり大人数が出る作風ではなさそうなので、厳選して面白い人を選んでほしいです。 気が早いですけど。 2012.09.17 サイトに掲載 2014.07.01 再掲載 戻る |