「メリダとおそろしの森」







よりにもよって同じ時期にぶつけてこなくても、の母子もの。
どうしても「おおかみこども」と比べてしまいますが
すみません、私はメリダの方が好きです。非国民でごめんなさい。
演出は「おおかみこども」の方が優れてますでもしかし。
両方見比べて「あー分かるー」って言ってほしい(笑)

ピクサー初の女性主人公映画です。
(そして初の女性監督作品になる予定でしたが途中で降板、解雇された模様)
母と娘の冒険ものって結構珍しくないでしょうか。
(生き別れになったのを探して、とか
売られて、とか流され系の受難の物語ではなく闘う系の)
母娘で映画館に行って、
お母さんは王妃に感情移入して、娘ちゃんはメリダに感情移入して、
両方すっきりニコニコして帰れる映画です。

興行的にちょっと苦戦しているようですが、がんばってほしい。
風呂敷はそんなに広くないですが、それは上映時間が100分未満なので仕方のないところ。
あと男性が感情移入して気分が良くなるヒーロータイプが不在なので、
それが「つまらない」という評価につながっているのではないかと。
というかこれまでの冒険映画は
強くてたくましいヒーローが世界の命運を決する方に偏り過ぎたので
女児や主婦や老人や玩具が、
ご近所で冒険を繰り広げる作品を、これからもどんどん増やしてほしい。
方向は間違ってない。

おはなし
王女メリダは、父王と母王妃から縁談を押しつけられ、
城を飛びだして行った森の中で魔女に会い、
独善的な母を変えてほしいと頼むのだった。

みどころ
10世紀頃のスコットランドが舞台らしいです。
(バイキングが攻めてきたりローマ軍が攻めてきたりという会話があった)
(ノーパンキルトの男性もいる)
音楽がケルト風で、好きな人にはたまらない風味。
あとメリダの髪が世界最高峰にフワフワしている。
たしかラプンツェル母の頭もフワフワだったけど、あれの3倍くらいフワフワ。
CGは髪や水を描くのは苦手って言われてた時代がうそのようです。

内容ばれ

王妃様が完璧超人で、美しく賢く亭主をうまく操作して、でも愛されていて
誰からも一目おかれ、上品で機転がきいて、優しく子供思い。
そんな母は存在だけでメリダを威圧するのですが、
でもきちんと欠点も描かれます。
一見ダメ父に見える王がその欠点を補っている事も分かります。
そして森に行ってからのお母さんは全然何の役にも立たず
面白いことばかりします。
でも、その挙動がいちいち可愛くて萌えます。

こちらの映画も我が子のために身を呈する母親の愛情は描かれるのですが
「熊と素手で殴り合う」とかダイナミックなものなので、
息苦しさを感じないで済むのはよいです。

相手を説得して考えを変えさせることしか頭になかった2人が徐々に変わっていく、
テーマも分かりやすかった。

伝説の王国を滅ぼした原因はあの魔女だけども、
別に悪い存在ではなく、
むしろアフターケアもかなりきちんとしていると思う。企業として。
結局のところ悪役がいなかったのはいいですね。
メリダも一応4人きょうだいな訳ですが、
伝説の王国のような悲劇は起こらなさそう。
というかあの3人の弟、ティムの映画から出てきたかのような暴れぶりだったな。

AKBの大島さんが吹き替えをされてましたが、
そんなに違和感なかったです。私はエンディングを見るまで忘れてた。

エンドクレジットのあとに1シーンありますのでお忘れなく。
そうそう、あとこの映画3本立てなのです。
(同時上映「月と少年」「ニセものバズがやって来た」)
特に何も書いてなかったのでびっくりした。








2012.07.27 サイトに掲載

2014.07.01 再掲載





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