「モールス」







スウェーデン映画「ぼくのエリ」のリメイクです。
字幕の苦手なアメリカ人に向けて
英語版「ぼくのエリ」を撮ってほしいと
会社からトーマス・アルフレッドソン監督(オリジナル版監督)に依頼が行ったけれど
監督が断ったのでマット・リーヴス監督(「クローバーフィールド」など)が撮った。
たぶんオーダー自体が「ぼくのエリ」と同じものを!だったのでしょうけど、
人物解釈から風景からそのまんまなので、ちょっと物議を醸したらしい。

学校ではひどいいじめを受け、
家庭も崩壊して心に傷を負った12歳の少年と、
近所に越してきた謎めいた美少女の交流のお話です。

どっちかを見るなら「ぼくのエリ」です。
でも、他人がパクれない、写し取れない部分とは
どのようなものなのかがよく分かるので、2つを見比べるのも面白い。

内容ばれ

たとえば酒飲み中年グループの交流シーンとか、明らかに不要だったのに
切られると物足りない不思議な映画「ぼくのエリ」。
「モールス」は不要部分もなく、分かりやすく全部説明してくれるんだけど
だからこそ何か足りない。

おじさんが「ぼくのエリ」の1.5倍どじっこ。
少年の頃はトンボくんみたいなメガネっこ。
おのれアビー。
年寄りの下僕に飽きて、しかも使えなくなったので
若くてかわいいのをタゲってまんまと乗り換えた感がすごい。
少年に対しては一生懸命しおらしく可愛らしく振舞っているのに
おじさんには冷淡なのとか、
左の顎にキスしてあげる癖とか、
おじさんが少年の頃に一緒に撮った写真とか。

野性的なエリに対してアビーは洗練されているので
少年への友情が作為的に見えるのです。
エリは少年と運命を共にする覚悟がありそうにも見えたけど、
アビーはまた次の子に乗り換えそうに見える。
でもクロエちゃんが悪い訳ではなくて、ええとなんだろう。台詞の端々かな。

余談
少年のパンイチはまずかったのか、
お部屋でもジーンズを穿いてらっしゃいましたが、
そのうち上半身裸もNGになるかもしれませんね。

あとアメリカでは
「夜の10時です。お子さんの居場所を把握していますか?」
ってテレビでメッセージが出たりするんだ!ACみたいなものかしら。










2012.06.25 サイトに掲載

2014.07.01 再掲載





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