「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」






マーガレット・サッチャーの半生記です。
老いてアルツハイマーを発症した彼女が、
現実の認識があやふやになり、死んだ夫と会話し、
まどろむように過去を追憶する形式です。
政治家としての経歴は大胆にすっ飛ばされたりするので
割と女性向け。

夫が流行最先端の草食系男子で、辛抱強く妻を支えるタイプ。
幻覚の彼との暮らしは、なんだか楽しそうなものに私には見えました。

内容ばれ

首相を辞任するあたりの顔と演技が、気持ち悪いくらいそっくりで
メリルに見えなかった。
あと話し方の指導を受ける前と受けた後の演説が劇的に違って凄かった。
頭がはっきりしなくて、自分でもおかしいかも?と思っている顔や
それを誤魔化すためにする演説だけはさすが元首相だけあって
迫力満点なところとか、お手本がなくて
演技プランを組むのにさぞや苦労されただろうに、
軽々こなされているように見えてさすがだった。

息子さんはあまり出てこなかったなと思って調べたら、
結構やらかしちゃってる子なのですね。あいたた…。

首相時代からアルツハイマーの兆候があったよ
という表現でしたが、だとしたら恐ろしいことだ。
というか御本人が生きていらっしゃるのに、どうなんだろうそれは。
亡くなってからフリーダムに撮られた「J・エドガー」とは訳が違う。

「茶碗を洗って人生を終えるのは嫌!」と言った彼女が
最後お茶碗を洗って映画が終わるのでありますが…。
あれ、泡だらけの茶碗が映った後、2秒くらいの動作があって、
それでおしまいでしたけど、え?
英国の人は洗剤洗い流さないよって聞いた事はありますが、
いくらなんでもあれではきちんと拭けてすらいないので、
満足にお茶碗も洗えなくなったよ、というシーンだったと思う事にしておきます。

夫のデニスがかわいかった。若いころもかわいかったが
おじいちゃんになってからがもっとかわいかった。
門のところでちょっと踊っているところが一番かわいかった。
落ち込んでいるマーガレットに食べ物(と好物のウィスキー?)を
持ってくるところもかわいかった。そりゃあプロポーズも受けちゃうよ。









2012.04.01 サイトに掲載

2014.07.01 再掲載





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