「SHAME」 めずらしくR18映画ですので、 感想も下品というか生々しいものになります。 苦手な方はご注意ください。 ニューヨークで暮らすブランドンは、ハンサムで有能、 充実した仕事と優雅な一人暮らしを満喫しているように見える。 しかしその一方で、彼は明らかなセックス依存症であり、 また人と深い関係が築けないという面があった。 そんな彼のマンションに、行き場所をなくした妹のシシーが転がり込んできて、 一見うまくいっていたブランドンの生活が崩壊を始める。 過激な性描写!とあちこちで書かれていますが、 過激な性描写とやらは見当たらなかったような。 確かに性描写は多く、一部見えている箇所もあったけどそれくらいかな。 全編とくになにも説明されない、 表情と会話でちょっとほのめかされるという進行なので あまり大勢向きの映画ではない。 なにもかもねたばれー ・うーん、なんとなく映画よりは小説向けの題材だった。 女の人の胸とか尻とかは画面に映るだけで生命力に満ちた感じになりますが、 あの話だと、どちらかといえば死のほうに近しいですよね。 なので文字の方が良かったかなって思います。もちろん過去に何があったかは描写しない方針で。 あ、着衣のままだったらまた違ったかな。 ・これはかなり脱線した話になりますが 同僚の黒人女性とうまく致せなかったシーン、 せっかく楽しそうだったのに、 男は頭を抱えて女は帰ってしまうような大それたことなの?ってすごい違和感でした。 他にすることが何通りかあるんじゃないの? クララじゃあるまいし、立ったの立たないのってそんな大事かなあ…? なんか日本の20年前の感性のように感じられたのですが、 現在のアメリカでもまだこんな認識なのかしらと、ちょっとがっかりしました。 ・この段落15行、情緒もへったくれもなく踏み潰すような感想になりますが 結局ブランドンは過去の環境が原因で 愛情と肉欲が連動しなくなってしまったのが問題なのですが、 (なのであの同僚さんとは致せない) (シシーとの肉体関係を匂わせる台詞があったので、 ブランドンの愛情と肉欲が伴ったセックスの最初にして最後の相手がシシーだった可能性は高い) 別にそれでも生きていけるし幸せになれると思うのです。 ブランドン1人なら、問題を抱えつつもやっていける。 ただ、同じ飢え方や同じ歪み方をした人間の近くにいると 悪い共鳴を起こすので、シシーとは離れた方がいい。 でもシシーが、兄の知らない遠いところで死ぬ事も出来たのに ああいう風にやらかしちゃう子なので(悪意は全然なく)、 兄妹でじわじわとだめになっていくような気がしました。 ラスト、ブランドンの顔にあったのはあの女への負の感情でしたが あれは方向としていいのか悪いのか……。 ・まあ、あと述べずにはいられないが、あのゲイの館、 自暴自棄になったあんな上玉が来たらそりゃあもう即いただきますよね。 というかよく帰してもらえたな。 自暴自棄になった人間=精神も身体もノーガードなわけで、 腐る直前の食べ物が一番おいしいのと同じ理屈で色っぽかったです。 ・後頭部を触ったらブランドンが吠えて、同僚女子がきゃっと言うところと、 シシーの糸くずのところ、帽子をブランドンにかぶせるところかわいかった。 ・ブランドンが夜の街を走る長回しのシーンは綺麗だった。 走り方も。そりゃあどう見ても脂肪ゼロだもん。身体も軽かろう。 ・なぜか私の周りのお客さんはソロ活動の老紳士ばかりでした。 どういうきっかけでこの映画を見にいらしたのだろうと不思議でした。 2012.03.15 サイトに掲載 2014.07.01 再掲載 戻る |