「宇宙人ポール」







面白かったですよー!
イギリスのSFおたくの中年2人が、
コミコン(まあコミケのような…)に参加するため
アメリカ旅行に来て、ついでに宇宙人関係の名所めぐりをする、
というお話。
ちょっとこう捻った笑いがあって、
SFに対する愛があふれていて、
おたくなら一々よく分かるシチュエーションが散りばめられていて、
中年男性同士の友情はなんか温かいような情けないような感じだけど、
最後はちゃんとエンタメっぽく盛り上げてくれる。

サイモン・ペグとニック・フロストが相棒関係の映画はこれで3本目なんですが、
(タンタンを入れたら4本目)
やつら転生してもずっと親友なのかと思うとちょっと微笑ましいです。
(ポールの声はセス・ローゲン。ブロマンス御三家揃い踏みですな)
(ブロマンス=男性同士の友情以上愛情未満を現す新語)

内容ばれ

・コミコンに初参加して、会場の全部に感激して
 「人生で一番楽しいかも……」って言っているサイモン・ペグの顔、
 共感できぬおたくなどおるでしょうか。
・ホテルの部屋で明日以降の予定を話しながらキャッキャしているときに
 チャイムが鳴って、2人が「ピザ!!」って大声をあげて笑顔になるところ、
 もう、ビンタしたくなるくらいかわいかったです。おっさんのくせに…。
・行く先々でゲイだと誤解されて、ちがうよ、友人だよ、僕達おたくだよと弁解する2人。
 でも何か理解してくれない人々。
 アメリカっておたくはゲイより認知度(もしくはカースト)が低いの?
・ニック・フロスト、なんかいっつも嫉妬する側…うざかわいい彼女のような…。
 でも親友と思いっきり濃いオタク旅行を楽しむつもりだったのに、
 親友は旅先で女の子と仲良くなって、しかも他の男と友達になってクヤチイ…
 っていうしょんぼり感もちょっと分かる。
・イギリスではみんな銃持ってないって本当?をはじめとするイギリスネタも面白かった。
 お茶飲もうかってなったとき「こっちの紅茶はティーバッグだから…」って言うのですが
 イギリス人って現代男性でも茶葉からちゃんと淹れた紅茶にこだわるの!?
・福音派のいじりっぷりが凄かった。うん、人の信仰を笑っちゃいかんのだが
 ギャグとして間違いなく一番冴えてた。
・クリンゴン語って何とか日常会話できるんだ!?
 作った人の労力すげー!
・スピルバーグおじいちゃんが本人役で声だけ出演してます。
 おじいちゃんおちゃめ。
・同じスピルバーグ・リスペクトにしても、
 そっくりそのままレプリカを作ってしまう「スーパー8」と、
 まったく違う作品に所々小ネタを仕込んでニヤリとさせる本作、
 アプローチが違って好対照です。
・「その子から離れろ!このメス豚!」ネタだけのために
 あの方が御出演くださって最高でした。ドレスお似合いでした。
・エージェント某氏、すき!名前のネタはよく分からなかった。
 SFとは畑違いの映画ネタらしいけど。
・ポールは、上から目線だし下品だしキモいし、最低の宇宙人なんですが
 好きにならずにはいられません。
 (吐息が白かったけど、肺呼吸してんの?)

色々なSF作品のパロディが含まれますが、
「未知との遭遇」と「エイリアン2」を見ていると、
より楽しめると思います。スピルバーグねた多めかな。

映画内で2回ねたにされた、宇宙人に岩をぶつけるシーン、
気になったので調べたら
スタートレック第18話「怪獣ゴーンとの決闘」だったようです。
http://www.youtube.com/watch?v=3YoDRczfVZQ
重力が地球と違う星でのバトルという設定のようですが、
棒きれで叩いたり、岩を投げたりと随分牧歌的です。
あれだな、特殊技術もさることながら、カメラワークがホームビデオのようだな。
(しかしあらすじを読むとこの戦い、種族の存亡を決するものだったようで、
負けた方は種族ごと消される決まりだったみたいです。ちょ…カーク船長もっと真剣にやれ!)








2012.01.04 サイトに掲載

2014.07.01 再掲載





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