「アリス・クリードの失踪」




あらすじ
ある日アリス・クリードは2人の男に誘拐された。

クライムサスペンスもの。二転三転してハラハラする。
犯罪系映画が好きで、脚本に完成度を求める人で、
ブラックジョークが平気な方は見に行かれるとよいでしょう。
でも間違ってもファミリー向けやデートムービーではないので御注意。
J・ブレイクソン監督はまだ30代前半のイギリス人だそうです。
ダニー・ボイルといいマシュー・ヴォーンといい、
イギリスはいい若手監督を輩出しすぎてけしからん!
(共通点はギャグセンスの意地が悪いところかな?)
(得も言われず好きですあの笑い)
この映画は登場人物3人だけ、舞台はほぼ2部屋だけで
常に緊張の連続なんですが、
時々ある笑いはシリアスギャグほど圧倒的ではなく、
じわじわと「なんかおかしくね?」という気持ちになってくる感じ。
登場人物は必死で、それこそ死ぬかもしれないんだけど、
でも冷んやり笑えるという。お葬式で読経するお坊さんの顔が面白い的な…。

ところで反転なしで書ける感想がありません(笑)。
ああ言いたい!言えない!

ねたばれ
あれは絶対笑いを取りに来てると思うんですよね。
薬莢リターンズとか、
あのルームサービスのくだリからキスのところのタイミングとか。
私は「ああ、ついでにお姉さんもテイクアウトですな」くらいに思っていたので
本当に噴きました。怪しいなとは思っていたんですけどああいうタイミングでこられると。
シャイニングのジャック・ニコルソンみたいな鬼気迫る表情の男に
必死でトイレの匂いの説明をしたりとかして、もう「なにこれ…」っていう。
小2ギャグ多めですがいちいちスタイリッシュなんだよな。

銃を向けられた人が2人の出会いや相手の好きなところを語りだすのも面白かった。
ラストのあたり、アリスが「やべっ!負けるか!」みたいな顔をしてて、本当に笑った。
あの二股ちゃんは、求められると誰にでも応えちゃうんだけど、瞬間瞬間は全部本気で、
でもそんな自分が大嫌いで全て捨てて生まれ変わりたかったのだと思います。

排泄物の話注意
世の中には女性の排泄シーンがある映画を探し求める趣味の方が意外に多いと聞きますが
(特殊な映画のそれではなく、あくまで普通の映画の中に必要だから入っているシーン)
たぶんこの映画はその筋の方のTOP10にランクインするのではないかと思います。
すっぽんぽんもあるでよ。
タイトルセンスが最高で、タイトルの出るタイミングも超絶格好良かった。
あれ以外ないタイミングだった。「127時間」もタイトルが出るタイミングが良かったけど
両方とも排泄物が出てくる法則……。
尿の出てこない映画が見たいです……。







2011.07.10 サイトに掲載

2014.07.01 再掲載





戻る