「バットマン・ビギンズ」



「バットマン・ビギンズ」を見ました(微ねたばれ)。

内容要約:バットマンは放置プレイを覚えた!
     バットマンのレベルが1あがった!

豪華競演すぎて、これ最初に出演する役者が決まっていて、
あとから全員がキャラ立ちするように苦心して脚本書いたんじゃ…?
という気がしました。その目標は成功してはいるけれど土俵際状態。
一番ワリ食ったのが渡辺謙。
指輪のファラミアさん以上の「出た」「燃えた」。

それにしてもこの数の登場人物をまとめきったのは
見事なバランス感覚だなあと思ったら
監督脚本がクリストファー・ノーランだった……。
「メメント」「インソムニア」の……。軽くショックだ。
この人は常に「バランスを捨てても円の外を目指す」
という感じの傾向だったのだが、今回は
「バランスを取りつつ円の中で、ちょっぴり尖ったエンタメ作品」
でしたよ!わあー、器用だなあ。
共同脚本のデビッド・S・ゴイヤー(「ブレイド」の人)テイストが
上手にブレンドされていました。

「王子様、所詮君は世間を知らない」というような事を
敵に言われてしまうブルース・ウェイン萌え。



●主役のブルース・ウェインを演じるのは、
 「マシニスト」で体重を30キロ落とし、この作品でまた戻した
 乾燥ワカメのようなクリスチャン・ベイル。
 ベッドで目覚めたときのシーン、アルフレッド(執事)に
 笑いかける口元がピカチュウの口になっていた。
 (ω)←こんなの可愛い。
 彼が愛しているのは実はアルフレッドだけだと思う。
 世間勉強で投獄されたり、バットスーツを自分で塗装したり、
 手裏剣を研磨したりして歴代で一番マメなバットマンだった。
 (ところでエアブラシをかけるときは専用マスクしたほうがいい。
 鼻の穴がカラフルになるよ)

●お坊ちゃんが命の、執事アルフレッド。
 70を越えていらっしゃるようには見えないマイケル・ケイン。
 厳格にして慇懃にしておちゃめで情の深い英国紳士ぶり。

●そしてブルースの武芸の師匠はリーアム・ニーソン。
 どう見ても若返っておられますよマスター・クワイ=ガン
 (オビ=ワンの師匠)。フォースの力なのですかマスター?

●幼馴染のヒロイン、女性検事レイチェル役はケイティ・ホームズ。
 宇宙戦争が縁でトムと婚約したひとらしい。よく知らないが。

●狂える心理学者クレイン博士(スケアクロウ)はキリアン・マーフィ。
 私は初めて見る俳優さんだが、腐女子的になんか気になる顔。
 元はこの人がバットマンの予定だったらしい。
 どうでもいいが邦画だったらミッチーが演ってたなこの役。

●科学開発責任者にモーガン・フリーマン。
 アーマーからバットカーまで、言えば何でも倉庫から出てくる。
 モーガンさんは普通の人間より顔のパーツの可動部分が明らかに多い。
 結果的に表情豊か。おいしい役ではあるが、彼がこんな端役とは勿体ない。

●善良だが無力感漂うゴードン警部にゲイリー・オールドマン。
 ゲイリーめ、こんなところでスキルアップしたな。
 映画サイトさんでは高い確率で「ゲイリーにしては珍しい善良な役」
 と書かれていて、アズカバンでの彼の役は善良じゃなかったのかと
 一軒一軒問うて回りたくなりました。

●代理社長ルトガー・ハウアー。
 時折この方は、身分の割にしょーもない役を
 気さくに演じられることがあってびっくりする。
 もうちょっと脚本を選んだり、わがままを言っても良いのですよ?
 今回も、ドン・ファルコーネの役の方が
 まだましだったような気が致しますぞ。

●渡辺謙は燃えた(ロンドン橋のメロディで)。
 「SAYURI」に期待したい。
 でも「SAYURI」でも燃えたらどうしよう。
 (「SAYURI」はハリウッドプロデュースのゲイシャガールの話)

キャラクターは、誰かが立てば誰かが引っ込まねばならぬという
立体パズルなので、この人数を全員立たせるというのはパズルの達人。
客観的に見てバットマンシリーズの最高傑作なのでしょうけれど、
記憶の中で1stのジョーカー編(ティム監督)が美化に美化を重ねて
えらい事になっているので、それに勝てない感じ。
1stは公開時に1度見たきりですが、
この記憶のクオリティを壊したくないので再び鑑賞する事はないでしょう。
私のNO1バットマンです。





2005.11.06 サイトに掲載

2011.08.08 再掲載





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