「キング・コング」 2005年、ピーター・ジャクソン監督。 私思いますにピーター監督の特殊スキルは、 「そのシーンに適正な時間は何分何秒か」 というのを正確に把握し、クリエイター的にはおいしく ついつい長めになってしまう場面でもシャクっと切り上げ、 その絶妙の時間で切られた一場面一場面を連ねて 美しいリズムの一本のお話にしてしまうという 指揮者の如き手腕なのではないでしょうか。 しかしこの作品に於いてその能力は発揮されませんでした。 なぜなら監督はコングを愛しすぎているからです(笑)。 恐竜のシーンなんか不自然なまでに長い。 虫のシーンも長い長い。 好きな子の前で緊張してキョドってしまう高校生のように ピーター調子狂いっぱなしです。 そう、この映画は細部から最後のメッセージに至るまで 監督からコングへの長い長いラブレターなのです。 なので不愉快な狂いではありませんでした。 (私もオタクですから!) そして狂ってもピーター監督です。見事なボリューム感と安定感。 魅力的に描かれる人々。思わず撫でたくなるコングの尻!そして純愛! 制作費は、約250億円だそうです。 監督が一部負担しているそうです……。 2006.01.27 サイトに掲載 2011.08.08 再掲載 戻る |