「ブロークバック・マウンテン」



濃淡の見事な緑、
掴めそうなくらいしっかりした形の雲、
突然の雷、勢い良く流れる川、
羊、コヨーテ、そしてホモ。
最初から最後まで
仏像のようなアルカイックスマイルを浮かべて
見守ってしまいました。

恋愛感情重視型かんそう

視界の隅に好きな人がチラチラ入るのを
こっそり見たり、我慢して目を逸らせたりするあの感じ。
ワクワクピチピチして会いに行ったら
なんか会えなくて、帰り道に不覚にも泣いてしまうあの感じ。
「しばらく会えない」って申し訳なくて言い出せなかったり、
或いは逆に言われてしまったときの制御できない怒り。
会いたいのは自分ばっかりだ!って思ってしまったときの超絶望。
恋愛をしていて、この映画で細かく表現されていた
それら一切を経験していない人など皆無でしょう。
キャッチコピーの
「はじまりは、純粋な友情の芽生えから だった」
には少し納得がいかないのですが
(むしろラストに近付くにつれ純粋になっていったような)
同性愛とか関係無しに
汚くて綺麗な恋愛映画だったと思います。

映画ファンっぽいかんそう

アン・リー監督が「グリーン・デスティニー」の監督であると
見終わってから気付き、
ああではこの監督さんの演出する、
「耐え忍ぶ恋」は好きだなあと思いました。
しかし同時にラストに関する感性は合わない感じがしました。
というかラスト数分で突然これまでの集中力が
切れたような印象を受けます。

血も涙もないかんそう

秘密の恋愛をするには、彼等はあまりにも
杜撰すぎ、注意力散漫すぎた。
隠さなければならないと自覚しながら
周囲の人にどんどん目撃されちゃう様子は
一種のプレイに見えたくらいです。(迷惑だよ!)
君たちは推理小説を100冊読んで、
アリバイ工作と証拠隠滅のノウハウを学びなさい。
または「真夜中の弥次さん喜多さん 」を見て
吹っ切れてみるのもいい。
「どっこい俺達ホモだもん」とか2人で歌うといい。
メキシコかどこかでさ。

更に血も涙もない鬼悪魔なかんそう。

リンチで殺された人のたたりなんじゃあるまいか。
(怪談「ほもヶ山」)

別にいいが、この映画の感想は
書く人によって全く内容が変わるのが面白い。
そういえば上映中の反応も見事にバラバラだった。




2006.04.06 サイトに掲載

2011.08.08 再掲載





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