「ダ・ヴィンチ・コード」



念のためあらすじを書いておくと
「象徴学を専門とするラングドン教授は
ルーブル美術館で起こった猟奇事件をきっかけに、
シオン修道会という謎の組織と、ヴァチカンのある一派の
キリスト教最大の謎と禁忌をめぐる争いに
巻き込まれていく」というもの。

ラングドンとソフィーの関係は
カポー色気ムンムンが抜けてて映画のほうが好き。
謎解きはかなり簡略化されていましたが、まあ仕方ないでしょう。

下記映画と原作両方ネタバレ

たぶん監督は変人萌えなんだと思う。
なのでティービングは「虐げられた者達ばんにゃーい!」とかって
いい具合に変人度が増した。(原作ではもう少し普通)

しかしそのあおりを食ったのがアリンガローサ司教で
監督の食指が動かなかったのか、
短気&アホ&悪という最悪のキャラクタ造形に。
(原作のアリンガローサ司教は
心の迷いにつけ込まれて騙されただけであって
シラスが人殺しをさせられているとは知らない)
あとまあこれは別にいいが、
超重量級プロレスラーみたい…だった…。
や、いいんだけどさ。
あのアリンガローサ様なら、張り手か何かで
教会に侵入した賊を倒せると思うのよ。

そしてダ・ヴィンチ・コード随一の変人シラスは
大変な引き立てられぶり、キャストも最高。
粗筋上重要なシーンを幾つも切って切って切りまくっておきながら
なぜシラスの全裸ムチ責めのシーンはあんなにじっくり映すのか。
そして何度も全裸になるのか。
ちょっと変に思ったくらいの熱の入れよう。
(シラスは着衣のシーンと全裸のシーンが
半分半分くらいだったのでは……?)
それとこれとは別にしてベタニーさんはうまいなあ。
ベタニーさんがああいう役をやると、
まるで顔に「基地外」と書いてあるかのような見事なサイコぶり。
「ロック・ユー」のときは
まさかあの全裸マンがこんなに旬の俳優になろうとは
夢にも思わなかったですよ。
で も も う そ ろ そ ろ 
全 裸 は 卒 業 し よ う よ…。

しかし監督はシラス単体萌えなのか、
シラスの生い立ちと司教との出会いは
10 秒 で 終 わ っ た 。いや本当に。
イメージ映像通り越してサブリミナルだった。
賭けてもいいが、一般人でそして原作を読んでないお客さんは
過去のシラスに何が起こったかさっぱり分からなかったと思う。
あと、シラスの今際のセリフがあれとはあまりにも非道い。
シラスシラス言ってごめんなさい。12年モノ脱獄囚なのでつい…。

ラングドンさんは、「うさんくさい程のハンサムだが中味は地味で堅実」
というキャラクタだと思っていたのですが
トム・ハンクス起用により「地味で堅実な外見に地味で堅実な中味」
という人に。そんな彼は宗教的フォロー役を一身に背負って
「ドキ☆暗闇で神と2人っきり!ラングドンの真夜中の井戸v」
とかそういう捏造エピソードを語りに語っていた。
(いやでも真面目な話、閉所恐怖症の使い方は上手いなと思った)

あ、そうそう映画だけを御覧になった人は冒頭のソニエールが
あんなにウロチョロ謎を仕込んだり落書きしたり
欽ちゃんの仮装大賞ごっこをしたりする元気があるのに
何故救急車を呼ばないのか不思議に思われるでしょうけれど、
ちゃんと理由があるんですよ、ええ。
全体的に監督は、説明が好きじゃないんだな多分。
それは分かった。




2006.06.22 サイトに掲載

2011.08.08 再掲載





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