「オープン・ウォーター」



若夫婦2人が南の島にヴァカンスに行く。
洗面台に二人並んで歯を磨いていたり
ココナッツジュースを飲んだり
露天でアクセサリ屋さんをひやかしたり
ホテルの冷房に文句言ったり。
「今日はする?」「うーん…」みたいな
いかにも夫婦らしいやりとりがあったり。
旦那さんは理知的で優しい人で奥さんを愛しているし
奥さんは冷静で仕事の出来そうな人で旦那さんを愛している。
2人とも誠実な人だ。
なんか最初はそんな具合にまったりと話が進むのだが
夫妻はスキューバダイビングに行く。
そこで魚ちゃん達と戯れるのに夢中になって
ちょいと集合時間に遅れたら
ダイビングショップの人数確認が杜撰で
置 い て 行 か れ る 。

下記内容全部書いちゃってます。

この話の大半はその遭難描写なのですが。
虫にたかられたり、寒かったり、遠くの船を必死で呼んだり
ちょっと眠っている間に互いに離れちゃったり
サメに囓られたり、その出血で徐々に弱ってきて、
やがて御主人死んじゃったり。
ずーっとカメラが揺れていて、チャプチャプ音がしていて
壮絶に暗いです。音楽もなく、ホームビデオのような撮影。
初め夫婦は、どこにでもいる現代人らしく自分達が死ぬなんて事態は
天地が裂けても有り得ないと思っているのですが
でも段々自分達の存在は魚のエサ以上でも以下でも決してないというのを
じわじわ理解して顔つきが変わってくる。
で、最後奥さんの気力がなくなって、
自分から海に沈んで死んじゃうんですけどね、
その「トプン」っていう小さい音がもう何とも……。
ラストでサメに食われたのを暗示するシーンがあってお終い。
当然ですがスキューバダイビングをしたくなくなります(笑)。
決して感動の海の物語!とかではないので
間違って見ないように御注意下さいね。




2006.07.16 サイトに掲載

2011.08.08 再掲載





戻る