「グエムル」



化学薬品汚染の影響で生まれた怪物。
それが漢江周辺で人間を襲い始め、
運悪く食われてしまった1人の女の子の
父親と祖父と叔父と叔母が怪物と戦う話です。

叔母さんはアーチェリーの選手という設定で、
この映画で「韓国のレゴラス」と異名をとり
大人気になったと聞いたので
一度に2本矢を放ったり、
スケボーしながら矢を放ったりするのかしら?
と思ったのですが、結構普通の弓でした(笑)。

ダメ父もアル中の叔父も、祖父も叔母も
女の子の事をとても大事にしていて、
女の子も家族大好きっ子なので
これは家族の物語です。
見ていて思ったのですが、
映画における西洋人親子の愛情表現は
キスにハグに、絶え間ない愛情の言葉と
非常に分かりやすいですが、
それに比べるとアジアンの親の愛は
無言無表情で突然子のために命を投げ出すようなところがありますね。
どちらがよくてどちらが悪いという話ではなく、ともかく違うなあと。

ねたばれ

お祖父ちゃんが息子の過失のせいで死ぬシーンがあるのですが、
西洋の映画なら、「子供のためなら命も惜しくない!」
みたいなオーバーアクションで親の愛が表現されたのでしょうけれど
この映画でお祖父さんは
ものすごい悟りきった表情で、
野良猫でも追い払うみたいなシッシッという無造作な仕草で
息子を庇って死んでしまいます。
あと、「俺は息子の屁の音を聞いただけでその日の奴の体調が分かる」
とかそういう、
ギャグなんだか良いシーンなんだかよく分からんところなど、
ともかく家族ねたが全部良かった。
監督の前作は苦手だったのですが、怪獣映画の本作は妙に好きです。




2007.02.20 サイトに掲載

2011.08.04 再掲載





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