「ハッピー・フィート」



ペンギンなら誰でも歌えて当然な「心の歌」を
生まれつき歌えないペンギン、マンブルのお話です。
ペンギン達が殺人的に愛らしくて辛抱たまらん映画でしたが
テーマは結構ヘビーでした。
「他者と違う身体・心を持って生まれても、
それはちっぽけな問題なので誇りを持って生きろ。
それと行きがけの駄賃に人間の自然破壊」みたいな。
でもノっちノっち歩くペンギン達が演じるので
なんだかそんなに重々しくはなかったです。
あと歌も踊りも素晴らしかった。

途中悲しいシーンが幾つかあるのですが
隣の席にいた就学前くらいの女の子が
「うう〜うううう〜」とむせび泣きを始めたので
ヤメテー!大きいお姉さんもつられて泣いちゃうからヤメテー!
と思いました。
(見てたのは字幕版です)


そして皇帝ペンギンのことを調べて驚いたのですが
(ご存知の方はスルーしてください)

夏場3ヶ月かけて魚を食べて太る。

100キロほど歩いて繁殖地に移動。
2週間ほどかけて相手を探し卵を産む。

メスは移動とお産で体重が3分の2ほどに激痩。
餓死寸前なのでエサを獲りに行く、
その際、足の甲から甲へ、オスに卵をパスする。
この卵パスに失敗して一瞬でも卵が地表に付くと、
卵は凍って割れる。

メスが魚をたらふく食べて体重を戻すのに2、3ヶ月、
その間オスは卵を温めながら集団で固まって
絶えず風除け役を交代し、ー10度〜−80度の気温に耐える。
卵がかえるとオスは自分の分泌液を雛に与える。
この絶食でオスの体重は2分の1になる。

メスが帰ってくるので、足の甲から甲へヒナをパス。
この雛パスに失敗してヒナが数秒でも地表に付くと雛は凍る。
今度はオスが魚を食べに行く。(でも多くのオスがこの道のりで死亡)


なんというか、皇帝ペンギンの行動プログラムを組んだ人は
駄目な人だと思う。
3匹か4匹くらいの交代制で1匹の雛を育てれば、
こんなに死者まみれにならなくても済むんじゃないか…?
親世代が生き残って次の繁殖期も卵を産んだほうが
結果的には数が増えるんじゃなかろうか…?
それじゃ駄目なのかペンギン?
或いは、せめて同じ流線型でも、
もっと陸上で機動力のあるデザインにしてあげてほしい。


その後ペンギン豆知識をメールで教えて頂き、
ペンギンの足の骨格は実は長いということを知りました。

でもこう、その長い足をわざわざ折り曲げて歩いているのです。





……走れば速いし、暖かくなるのでは?どうなの?




2007.04.22 サイトに掲載

2011.07.04 再掲載



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