「海の上のピアニスト」 10年近く前の作品ですが、 見そびれていたのを最近鑑賞しました。 豪華客船の上で生れ落ち、 一生船を出ることなくピアノを弾き続けた 1人の天才ピアニスト「1900」と 彼の友人の話です。 時代や舞台の選び方、登場人物の造形などが絶妙で、 おとぎ話と現実社会の合わせ方が見事です。 何十年も古びることなく愛されるタイプの映画だと思いました。 静かで落ち着いた映画ですが エピソードや演出のひとつひとつは なかなかどうしてエンタティンメント的です。 荒波で揺れまくりの船内を、1人だけ泰然と歩む 主人公の登場シーンや、 噂を聞きつけてやってきたジャズの創始者との ピアノ対決のシーン、 ピアノ演奏中に通りかかった女性に 一目ぼれをした主人公が奏でる音楽の変化、 どの場面も見るものの心を強く揺さぶります。 昔の作品なのでWEB上での感想が沢山読めます。 時々あるのが「1900の気持ちが分からない!」 「マックスの気持ちが分からない!」というもの。 (ねたばれ) 1900の最後の選択と、それを止めないマックスへの意見ですね。 私は歳を取ったので、どちらの気持ちも分かる…。 というか私が1900だったら同じ行動をとるし 私がマックスだったらああいう風にするだろう。 (いや「淋しい!」って100回は言うけどな) 2008.04.22 サイトに掲載 2011.07.04 再掲載 戻る |