「大日本人」



うーん、私の好きなタイプの映画ではないし、
たぶん二度と見ないでしょうけれど、
でも駄作とかツマンネーとかとはまた違うなあと思いました。

あらすじ
日本に時々出没する巨大生物「獣」を退治するために
代々巨大化して戦う大佐藤家、主人公はその六代目です。
映画はドキュメンタリー形式で撮られており、
離婚した元妻や子供、
先祖の羽振りが良かった時代やその資料映像、
大佐藤につくスポンサーとのやりとり、近所からの嫌がらせ、
街頭インタビュー、大佐藤の日々の食事風景、出張の様子などが
淡々と映されます。でも対照的に「獣」はグロテスクで下品。

アイディアとしての大きなウソが1つあって、
それを形成するために細かいウソでびっしりと固められている
根っから嘘が大好きな人の作品だなあと思いました。
ねたもいいし、タイトルもいい、演出もおそらく意図通り。
伝説のカルト映画になったのじゃないでしょうか。
これが松本さんの作品でなければ。
本来ならこの映画を愛したであろうカルト映画好きの人は、
ああいうテレビ派生で
大々的な宣伝を打たれる映画はスルーするものだし、
逆にテレビで宣伝を見て、
気軽に映画館へ行く人々が見たかった内容は
間違ってもこんなのではなかった筈です。
そして私は松本さんに詳しくないので分からないのですが
松本さんを愛し崇拝していた人々の期待していた映画も
大日本人とはちょっと違ったのでしょうね。
結果としてボコボコに酷評されてしまった、と。
アンラッキーで不憫な映画です。




2008.05.17 サイトに掲載

2011.07.04 再掲載



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