「4分間のピアニスト」 あらすじ 何十年も女囚にピアノを教えてきた老女クリューガーは、 ある刑務所で稀有の才能を持つ21歳のジェニーと出会う。 ジェニーはその過去から、強いトラウマと暴力衝動を抱えた女性だった。 通常ならここで2人の女性はピアノを通じて心を通わせ ジェニーはトラウマから解放されて救われるという方向に話が進みますが、 これはそういう映画ではありません。 クリューガーは礼儀知らずの人間や身なりの整ってない人間を相手にしないし 天から与えられた使命(才能)を ドブに捨てようとするジェニーが理解できない。 ジェニーは世の中の全てにムカついていて ピアノなど糞食らえと思っている。癇癪を起こせば相手が老女でも殴る。 お互いの過去に絶句する事はあっても、決して彼女達は自分を曲げません。 綺麗ごとはどこにもありませんが ジェニーの4分間の演奏は圧巻でした。 私は常々ピアノは音色が 寂しくて、冷たくて、固くて、重量と華やかさに欠けていて それをカバーするために速さと物量(音数)に頼らなければならない 不利な楽器だなあ、と思っていましたが ジェニーの演奏は全然そうではなかった。 というかあの演奏方法は発想の外でした。 ねたばれ 弦を直接指ではじき、ケース(木枠)を拳で叩くあの演奏法は しばらく手が使い物にならなくなる気がしますが、でもすごかった。 (実際コンサートで行う女性がいて、そのピアニストは日本人だそうです) 2009.02.24 サイトに掲載 2011.07.04 再掲載 戻る |