「スケルトン・キー」




看護士であるヒロインは求人欄に応募し
南部の古い屋敷に住まう老人の世話をすることになった。
老人は脳梗塞で全身不随だった。
老人の妻は南部出身でないヒロインに難色をしめすが
弁護士のとりなしでかろうじて話がまとまる。
しかししばらく暮らすうちに、ヒロインは屋敷の違和感、
老夫妻の不自然な点に気付き始める。
それはかつてこの屋敷で起こった惨劇と呪術が関係していた……。
というあらすじ。

ホラーエッセイ「ナゴム・ホラーライフ」で
激ホメされていた映画です。
あー、小説家さんのハートをゲットしそうな端正な構成!
呪術や呪いにも一定の法則があって、
それが守られないと発動しないなど全体的に理詰めな感じがします。

そして普通なら読めそうな顛末も
ちゃんと目くらましがかけてあって、騙されました。
じゃああのときのあれは…とか
あのシーンは…とか後から考えるとさらに楽しめます。

すごいねたばれ

あのとき吊られたのは子供か!とか
あのシーンのお婆さんはマジ嫉妬かよ!とかですね。
目くらましは、「貧乏人にとって彼等は英雄だった」とかそのあたり。

主人公の呪術のマスターっぷりには目を見張るものがあります。
ハーマイオニーとタメ張る。
私は趣味で漫画を描きますが、あんなに綺麗な二重真円は描けない。
(でも結界が介護用エレベーターで破られるところは上手かった)

映画の筋には関係ないですが一昔前のハリウッドには
事情も背景もないマジ悪役に黒人さんをもってこないという
「なんとなくルール」が存在したと思うのですが
差別主義者の白人に雇われている使用人黒人夫妻が
マジ悪役とか初めて見たーッ!
もう差別とかそういう時代じゃないぜという事なのか。

オカルト・サスペンス・ホラーですが、
ヒロインがめっちゃ勇敢で行動力があって順応が早いので
そんなに怖くないです。サスペンス部分を楽しめます。

作中の呪術「フードゥ(Hoodoo)」は、差しさわりがあるから
創造されたものかと思いましたら、実際に存在するのですね。
ブードゥー教の影響を受けた
アメリカ南部の、まじない系民間伝承の総称だそうです。





2009.07.29 サイトに掲載

2011.07.04 再掲載



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