「チェンジリング」 普通にホラー。 シングルマザーの母親が、仕事から帰ると自宅に息子はおらず、 捜索ののち5ヶ月後に帰ってきた彼は別人だったという話。実話。 内容ばれ(&暗い感想) 家にやってきた男の子は立ち居振る舞い、言葉がまったくの別人で 背が7センチも低く、何より割礼されている。 その見知らぬ子供に 「あなたは嘘をついている。私の本当の息子はこうしている間にも 危ない目に遭っているかもしれない。本当のことを話して息子を助けてほしい」 と理を説いても、は息子の振りをやめない。 母親は勿論警察に訴えるが、自身の面子を重んじる担当警部は取り合わない。 「あなたの息子はストレスにより背が縮んだ。 誘拐犯に割礼された。記憶喪失だ。あなたは錯乱している」 と訴えをはねのけ、 彼女が育児放棄しようとしていると噂をばらまく。 挙句の果てに精神病院に彼女を監禁し、 強制的に電気療法や薬物療法を施す。 結局何が起こっていたかといえば、 ペドフィリア嗜好の男があちこちから少年を誘拐し 自分の経営するカリフォルニアの養鶏場へ監禁、 その後虐待、惨殺を行っていたのだが、 彼女の息子はその事件に巻き込まれたということが、共犯者の自供で判明する。 異常者と警察組織の腐敗、 あり得ない不幸が2つ重なってしまったことがこの話の核であるのだが、 監督は黒いカタルシスをきちんと用意している。 犯人ノースコットの地獄への恐れ、絞首刑、惨めな死を、 じっくりとねぶるように描写。 自分のミスを隠蔽しようとしたジョーンズ警部には法廷での恥辱を描写。 監督が登場人物をぶん殴っている拳が見えるような演出だった。 息子の振りをしていた少年は ロスに行けば映画スターに会えると思って嘘をついていたらしい。 そして映画では描かれていないが、 犯人の母親は、監禁されていた少年達をその種の人間に有料で貸与、 殺害にも関わったということだ。 この事件が起こってから、まだ100年も経っていない。 人間の本質の平均値は、人間が思っているより 善良でも聡明でもないような気がしました。 2010.03.16 サイトに掲載 2011.07.04 再掲載 戻る |