「シャッター・アイランド」




精神に異常のある囚人を収容する、孤島の刑務所シャッターアイランド。
そこで1人の女性患者が失踪する。
連邦保安官のディカプリオは相棒と共に事件の捜査をするため
島を訪れるのだが……というあらすじ。

やたらと「人に結末を話さないでください」
「視線や手の動きに注意しろ!」「ヒントを見逃すな!」
的宣伝をしているのですが、
ええと映画サイトさん等で予習済みの私は、
ちゃんと「ミステリ物として見ない」という姿勢を守りました。
うん、恋愛映画として壮絶でした。

もろにねたばれ

オチに関しては、ヒントや伏線必要なく、
あらすじを読んだら分かります……。例のあれ。
原作は袋とじ(ミステリ特有の、
謎に自信のある作品の出版形態)だったそうですが、
オチに期待して読んでラストがあれだったら私は始球式だっただろうな…。
いや、原作(デニス・ルヘイン)も矢張り
ミステリ部分以外の重厚な、読み応えある作品らしいのですが
それは袋とじにしちゃ駄目だろう出版社よ。

ラストは映画オリジナルだそうです。
原作では子供が殺されるシーンがもっと凄惨で、
患者は狂気に戻るオチだったそうですが、
たしかにその方が作品としてヘビー&破壊力満点ですが
そんなもの見せずにいてくれてありがとうスコセッシ監督!
救いのある、あのラストの方がいいです。
(あれを救いだと思う人は半数切ると思いますが!)

こんなにあやふやでうつろい易いものを、
いくらでも醜くおぞましくなるものを、
それでも愛して執着してしまう人間。
鳥くらいの粗末な脳であれば、どんなに楽だったでしょう。

あと、あの父は娘を贔屓しすぎだと思う。息子超スルー。




2010.04.29 サイトに掲載

2011.07.04 再掲載



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