「インセプション」 ノーラン監督の(お仕事映画ではない)久しぶりのフルスイング。 私の見た2010年の映画ベスト3には確実に入るなあ。 (こういう系が苦手なひとも勿論おられるでしょうけれど、 ともかく凄い映画なのは間違いないので) 宣伝では難解難解と言われているが、おたくなら大丈夫! 映像がダイナミックなので劇場鑑賞に向いていると思います。 ただ睡眠不足で行くとちょっとつらいかもしれない。 登場人物が気持ちよさそうにグーグー寝てるので。 ねたばれ 私は「ラストで私が息をフーってして倒すからハッピーエンド派」です。 箇条書き ■最初は法則を理解しながらストーリーを追わないといけないので アワワってなった。 ■虚無界からスタートって鬼だ!分からんよ! (ネットで見た情報ですが、冒頭でかかっていた不気味な音楽は、 キックの時のピアフの曲をスロー再生したものだそう。 端的に言って凄すぎる×10) ■ケンケンは何十年待ったんだろう…。 ■キリアン・マーフィもディカプリオも、 明らかに夢の中の方が幸福だ。切ない。 (関係ないけどディカプリ夫の最近の某作品と家庭環境が繋がっていて 続編かと思いました) ■アーサーだけ仕事が大変すぎる!特別ボーナスあげようよ! (無重力遊泳の似合う、綺麗な体形のひとでした) ■宣伝でメイキング映像をちょっと見たが 360度回転するセットで ハムスターのようにぐるぐる回されていた。たいへん。 あと「一日ずっと中吊りにされていた日もあった」 とケンケンが言っていた。 ■アーサーは、あれきっとこれまで仕事でモルに 何度も撃たれたり刺されたりしておるのだろうな。 それでもディカプリ夫を見捨てず一緒に仕事するのって、 何と言うか一種居たたまれない。 ■ノーラン監督のこれまでの作品で純ハッピーエンドのやつは、 実 は 1 本 も な い (強いて言うならビギンズ)ので 自信なかったのですが、OPの音楽が超低速で鳴っているということは あそこは確実に虚無界(または第4層?)で音楽とリンクしており、 そしてピアフの曲が届いたということは、 プリ夫とケンケンの目は覚めたのだと思います。 やっぱ回転は止まる、で正しい気がしてきました! (子供の靴が違うらしいし!) ■ケンケンが「うぉっ!?」って感じで目覚めて 「あっ!(プリ夫と約束してた)電話しなくちゃ!」という顔で すぐに携帯をプッシュしますが あれ、もし日本以外の国の人だったら約束を忘れちゃってると思う。 だって本人の体感的に何十年前の約束よ? ■あのナマハゲと化したモルは、プリ夫の 「俺の嫁は俺にベタ惚れだから、俺と二人きりになるために 俺以外の奴をジェノサイドする筈」という恥ずかしい自意識の投影なので (たしかプリ夫のそんな台詞があったような…)、 もし私がプリ夫だったら、毎年お中元には高級マンゴー、 お歳暮には新巻鮭を送ります。アーサーに。 玄関入ったところから土下座で。 ■これから御覧になる方は、 プリ夫の指輪があったりなかったりするのに注目してみて下さい。 人の精神や夢に入り込むという話はよくあるし、 その下の深層界に入り込むという話もよくあるけど、 普通は深層に降りたら上の階は消える扱いになるところを、 第4階層まで降りて、それぞれ4つの世界が同時進行し、 上階の夢主の体の状態が、下の階の物理法則に影響する、 更にそれぞれの世界の時間の進み方が違う、 というアイディアがすごい!まじすごい! この法則でミステリや純愛ものやホラーや色々、5本は撮れる。 (私は地下に居た眠りおじいさん達の話が見たい) そして文字に書きだすとややこしい法則だが 映像で見るとめっちゃ分かりやすいのもすごい。 ノーラン監督だいすきだ! 2010.08.02 サイトに掲載 2011.07.04 再掲載 戻る |