シネマ歌舞伎
    「大江戸りびんぐでっと」



宮藤官九郎 作・演出

市川染五郎・中村七之助・中村勘三郎・中村橋之助 その他出演

突然死体が蘇る現象が起こり始め、
ゾンビの数がどんどんと増え始めた江戸で、
死体達を「派遣」として働かせ
日銭を稼ぐ調子のいい男を染五郎が演じています。
(でも最終的にはそんなに明るい話ではない。
蜉蝣峠よりややまし、くらいかな)

クドカンにしては下品な悪ふざけも少なくギャグもいい感じに決まり、
風刺劇といえなくもないかも?というやる気のないぬるーい風刺で、
最後の舞台装置的な大仕掛けで「おおーっ!」と盛り上がれて
なかなか面白かったんじゃない?と、思いましたが、
歌舞伎好きの人が怒り狂ってらっしゃるブログを拝見し
そして新聞の読者投稿欄にも歌舞伎ファンの不評が載っていたというのを読み、
「あれ?私、麻痺しちゃってる……?」
という気もしました。
確かにクドカンに関して
あまり予備知識のない歌舞伎ファンの方がご覧になったら
「なんじゃーこりゃあー!」だったかもしれません。
内臓出る、女形は男に馬乗りになって腰を振る、
イルカの着ぐるみで歩く、ゾンビ踊る…。

しかし落語ネタを幾つか織り交ぜる、
(私は気付かなくて友達があとで言っていたのですが)
屋号ジョーク、演劇ネタ、など
文化方面のギャグも頑張っていたと感じられたのですが。

最後の大仕掛け

永代橋が真ん中で折れて、そこから人がつぎつぎと川へ落ちていくシーン!
あれは公演中に何人捻挫を起こす人が出たのでしょうか!
2m近く高さのあるセットから、あんなにたくさんの人が!
そして群衆が頭上で支える板の上に立った状態で七之助くんが乗って、
それがリレーされるところ。
めっちゃぐらぐらしてて恐かった!
(たぶん)怪我がなくてよかったですよ。




2010.10.24 サイトに掲載

2011.07.04 再掲載



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