「ミレニアム2火と戯れる女」
   「ミレニアム3眠れる女と狂卓の騎士」


ハリウッド映画では、通常の恋愛倫理の持ち主である主人公格の男女が
異性と肉体関係を持ったら、関係破綻のエピソードが入らない限りは
別の人物と肉体関係は持たない傾向にあるが、
スウェーデン映画はそんなセオリー通用しない。
(そして原作はミカエル総攻らしい)
あの調子だと身の回りの人すべてが姉妹兄弟になりそうに思うが
そうでもないのだろうか…。

リスベットはダーティーヒロインなので、
友達の近況を知りたいときやメッセージを伝えたい時は
電話やメールなどという軟弱な手段に頼らず
相手のパソコンをハッキングします。
そして人にものを頼む時は家宅侵入して相手を縛りあげて銃で脅します。
お茶目さん。
でもその行動が一々大味なので、
(家宅侵入中はタバコを吸わない方がいいとか色々…)
これからもそのライフスタイルを貫くなら、
アメリカのドラマシリーズCSIとか是非見てリスベット!

内容ばれ

リスベット兄が出てきましたが、
人になにかしてほしい時は、相手を殺してからという姿勢が
兄妹で似てると思いました
(一応、兄的に男は殺して女は半殺しという区別はあるようです)。

リスベット父も出てきました。
このシリーズのテーマはミソジニーなので、勿論DV野郎です。
しかし走っている小柄なリスベットを(たぶん)3発撃って3発命中、
しかも一発は頭部にヒットとか、どんだけゴルゴなのか。
そして3発撃たれて埋められて、北欧の過酷な夜間の冷気で消耗しても
土中から這い出てきて斧でパパを襲うリスベットも凄えよ!
基礎体力の差?あれ東洋人女性なら死んでる。

悪の組織の人がみんなおじいちゃんなので、
おじいちゃん祭りでした。
悪のおじいちゃんが悪のおじいちゃんに
リスベット暗殺指令を出すのですが、
「人工透析受けてんのに無理じゃ!」って断られて
自分で殺しに行きます、歩行with杖で。
めっちゃよろよろしていて逆に怖かった。
高年齢社会のサスペンスですね。

映画を1〜3まで見てみたのですが、
原作がベストセラーになった理由が
感覚的にどうもよく分からなかったです。
少数に熱狂的に支持されるタイプの話ではありそうですが、
多くの感性に訴えるタイプのものではないような……。
そのあたり原作を読めば分かるかもしれませんが、
滅入りそうなのでたぶん読みません。
ヒロインのリスベットがものすんごいツンデレなので、
スウェーデンで初のツンデレ小説という新境地を開いたとかなのかしら。

ハリウッドリメイクするらしいです。
最近のハリウッド映画は女性客への配慮が行き届いているので
表現はかなりマイルドになるような気がします。
ミカエルとリスベットの関係は、
熱い友情か運命の恋か、どちらかに固定される予感。
こうして考えてみるとハリウッド映画って他国の映画と比べると
少女漫画のようにピュアですね。




2011.04.19 サイトに掲載

2011.07.04 再掲載



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